ここまで、日本のITエンジニアの価値や評価について紹介してきました。ここでは、自分自身に焦点を充てて価値を高めるための解決策を探っていきたいと思います。ITエンジニアは、技術力さえあれば誰もがフリーランスとして成功できるわけではありません。企業に属さず、自分の力で道を切り拓くフリーエンジニアにとって、 「自身の市場価値を高め、適切に評価されること」 は、成功への重要な鍵となります。つまり、技術力だけでなく、市場で評価される独自の価値を身につけることが重要です。
ITエンジニアの仕事は、システムやソフトウェアを作るだけではありません。 顧客が抱えている課題や疑問、ビジネスの目標などを正確に理解したうえで、顧客が納得し満足できる成果物を提示し解決することが重要です。たとえば、顧客からECサイトの開発を依頼されたとします。 このとき、ただ言われた通りの機能を実装するだけだと、表面上は完成したとしても、根本的な解決には繋がりません。「顧客はなぜECサイトが必要なのか?」「どのような顧客にアプローチしたいのか?」「競合との差別化ポイントは?」など、顧客自身も気づいていない課題や要望をヒアリングし、自身の技術で解決できる方法を提案していくことが大切です。つまり、顧客の期待値を超える提案をして実現させることで、高い評価が得られます。そのためには、ITエンジニアに問題解決力は必要不可欠で、顧客の課題を深く理解し、技術力とアイデアを駆使して解決することで、顧客にとってかけがえのない存在となり、高い評価を得ることができるでしょう。
日進月歩のIT業界では、昨日まで最新だった技術が、今日はすでに時代遅れになっていることさえあります。ITエンジニアとして市場価値を維持し続けるためには、 常に学び続ける姿勢が必要不可欠です。新しいプログラミング言語やフレームワークを習得したり、最新の技術トレンドに関する情報を収集したりすることで、常に自身のスキルをアップデートしていく必要があります。オンライン学習プラットフォームや技術書を活用するのも良いでしょう。積極的に自己投資を行い、市場価値の高いスキルを身につけることで、より高単価な案件に挑戦できるようになり、収入アップに繋がります。
フリーエンジニアとして働く場合でも、プロジェクトはチームで進めることがほとんどです。 チームメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、協力して仕事を進める「コミュニケーション能力」は、プロジェクトの成功に欠かせません。上述しているように、顧客の要望を正確に理解することはもちろん、チームメンバーと進捗状況や課題を共有し、意見交換を行うために積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。また、相手の意見を尊重し、建設的な議論を行うことが、より良いシステム開発に繋がります。高いコミュニケーション能力は、円滑なプロジェクト運営に貢献するだけでなく、お互いの信頼関係を築き、長期的な関係構築にも繋がるでしょう。これらの要素に的を絞り自身の市場価値を高め、顧客から選ばれる存在を目指すといいかもしれません。